このレビューはネタバレを含みます▼
他作で作者様を知り、他の作品も探していてこちらに出逢いました。数ヶ月前に購入しましたが、読み返すたびに心揺さぶられるので、なかなかレビューを書けませんでした。智くんは、ゲイである事を知られるのを恐れていて、お嫁さんや孫という形以外で親孝行をしようと考えて、ちょっぴり夢見てた職業とは別の道に進む大学院生。自分の恋が実った事もなく、恋はしないと思って生きてきました。そんな彼がある時出逢った光輝は、梨々愛ちゃという愛娘がいるけれど、奥さんとは一回しかできてなくて、好きな人ができたからと離婚届を置いて奥さんに出ていかれ、自分の性的指向に悩める会社員。きちんと話し合いたい、梨々愛ちゃんと離れ離れになりたくない(奥さんの実家で働いている)為に、未だに離婚届を出せずにいます。梨々愛ちゃんは、おしゃまな女の子。パパも智くんも大好き。そして、やっぱり本当はママも大好き。ある日、智くんと光輝の思いが通じ合った所で離婚届を出してほしい奥さんが帰ってきて、2人の関係を知られてしまいます。そこからは、どの登場人物の気持ちを考えても辛く、ずっと号泣していました。メインCPの気持ちも勿論ですが、奥さんのお母さんや奥さんの気持ちも共感できました。又、奥さんのお父さんは、光輝の見方をしてくれてるけれど、本当は色々複雑な胸中だったろうと思いました。そして、一番辛かったのは、梨々愛ちゃんの気持ちでした。どうしたらいいかわからないと泣く梨々愛ちゃんに、こちらも更に泣いてしまいました。最終的な家族の形として、梨々愛ちゃんはママと一緒に暮らすようになります。最初は寂しい気持ちもしましたが、少し先の未来が描かれていて、みんなが幸せになれたことが分かってホッとしました。それと同時に、この形がこの3人には必然だったと思いました。作者様が担当さんから3人暮らしを提案されたようですが、そのまま描き切られていて良かったと思いました。これからも、読み返したいなと思います。