イティハーサ
」のレビュー

イティハーサ

水樹和佳子

美しい!古代日本の世界観も魅力

ネタバレ
2022年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず、これが【読み放題】で完読できるって!!(2022年6月現在)
贅沢すぎます!

連載当初追いかけていたものの、中盤で漫画離れした時期があり、ずっと気になっていた作品。
1万2千年前の日本が舞台っていうだけでワクワクでしたが。
ファンタジー要素よりも、「人間とは」を問う哲学的要素が強い作品だったのですね。びっくり。

とにかく絵が美しくて、堪能できました。
ほかにも、鳥居や「真名」などを上手に小道具として使っていて、ファンタジー好きには嬉しい限り。切ない恋愛模様もぐっときました。いや、作者様、恋愛においてストイックな方ですよね。。。読み応え十分でした。

ただ、私的には結末に少しがっかり。
神という名の謎の存在にモヤリます。
「目に見えない神」にそれだけの力があって、1万年後の予知までできるのに、この刷り込み実験はお粗末じゃない?とか。
1万年後の唯一神って何かをにおわせるけど(つまり西暦00年頃ってことですよね)、だったら日本列島の住人に多神教の記憶をとどめる意味あんの?とか(中東でよくない?)。。。
なんか考えなくてもいいような雑念がどんどん湧き出てきちゃいました。
そこまで広げなくて良かったんじゃないかな~。
連載当時の世情を思い起こすと、こういうことも問題視されていたな。。と思い当たることもありますが。
そんな影響もあったのでしょうか?


とはいえ、10代で読んでいたら感動したのかなぁ。。。
年をとると頭が固くなっちゃってほんと、寂しいですね。
ついつい否定的な感想も書いてしまいましたが、素晴らしい大作であることは間違いないです。
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