ヤンパパと天使と俺
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ヤンパパと天使と俺

リオナ

リオナ先生の作品で一番好き

ネタバレ
2022年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 明るくて読後ハッピーなリオナ先生の作品。その中でこの作品は、登場人物達の苦悩や選択が現実的で、それぞれの思いに共感があり、ライトに描かれてますが、深いのです。
4歳のりりあを一人で育てているヤンパパ光輝と院生の智久が、りりあを通じて知り合います。智久はゲイで、両親への贖罪の気持ちから立派な仕事に着こうと決めてます。光輝はデキ婚してますが、嫁を抱いたのは1度だけで、自分はゲイかも?と悩んでます。そんな二人が出会ったので、必然のように惹かれるんですが…。ゲイでも普通に出会って、普通に恋したいと願う智久。でも大切だからこそ両親には言わない覚悟をしてる。光輝は、嫁を抱けなくなった理由、セクシャリティーを自覚するまでは不安で、ゲイの智久に救われる。そして自分の状況をちゃんと理解してるからこそ、娘を失う怖さを抱えてる。子供を残して出て行った光輝の嫁の苦しさ、光輝の義父母の娘婿への態度、智久の両親の愛情、両親の間で健気に振る舞うりりあ。それぞれに優しさや自己保身があって、でもその全員に共感する作品は初めてです。何より、りりあをどちらが育てるか問題、その決断がストンと腑に落ちて、そうだよねと思います。とても好きな作品です。
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