ハピネス・ロンリネス
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ハピネス・ロンリネス

桐野夏生

人間のクズの集まり

2022年7月4日
はっきり言って登場人物が全員人間のクズ、主人公もその家族も恋愛相手も揃いも揃って異なるタイプなのに突き詰めると身勝手なだけの人間のクズ。それなのに一気に読めてしまうストーリーの軽やかさは流石は直木賞作家というべきなのでしょうか。
離婚歴も前夫と子どもありということも黙って結婚したのに旦那や義両親に我儘いい放題、家族の介護問題で従業員を急遽必要としていたところに就職しておいてすぐに辞職の意志を固める、離婚して置いてきた息子と再会したその足でダブル不倫、この主人公はサイコパスかアスペルガー症候群とかの設定ですか?と突っ込みたくなる、いっそ清々しいほどのクズっぷりに、読後は「自分は真っ当に生きている」と安心感すら感じました。
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