このレビューはネタバレを含みます▼
●表題作が120Pほど、『惚れCHIKUBI』というなんともフェティッシュなタイトルの短編29P、表題作の描き下ろし6P、1P、カバー下4コマ×2。総169Pの割にはややお高め?
●表題作。幼い頃に出会っていた二人が成長して再会…という王道でありながら、政治家の息子・秀生と希少種獣人・郁の政略偽装結婚という設定、それぞれの孤独がうまく絡んでいて、良かったと思います。
●途中に結構強烈な場面があって、びっくりはします(汗)獣人管理課の職員さんに、偽装用の女装をした郁とのえっち(未満)を見られるという…。初読のとき驚きましたが、これって希少種が厳格に管理されている象徴のようなエピソード。
●希少種の扱いに着目して読むと、結構つらい描写がいくつかあります。そんな扱いをされながら、郁は家を守ろうと秀生との結婚に乗り、厳しい管理も甘んじて受けます。一人でがんばってた。
●一方の秀生も、(行動はややクズですが)政治家の息子として寂しさを抱えてて…幼い頃に出会った獣人(郁)は心の中の大事な宝物だったんだろうな。それをちゃんと自覚したのは少し後ですが。郁の妹を逃した事情とか…心根は優しいやつです。
●二人がお互いのことを分かり合っていく過程がとても良い。郁の耳としっぽが感情の昂りでピョコッと出てくるの、かわいいです。秀生も郁を大事にしたいと将来をしっかり見据えられる男に成長します。家族関係も改善されて良いエンドでした!
●短編。研究職の木瀬と後輩の七緒。木瀬は惚れ薬を誤って飲んでしまい、七緒はかぶってしまう。え、薬が乳首にかかったから木瀬と乳首が相思相愛ってことですか…?!?!「乳首と目が合った!」ってなにそれ(爆笑)楽しくキュンとできるお話でした。
●意外に(と言っては失礼すぎますが)おもしろかったです!毛色の違う2作品ですが、是非読んでみていただきたいです〜