このレビューはネタバレを含みます▼
●(盛大にネタバレします)本文ほんの26P。良かった!!あーでも表紙がなぁ…読み終わってから見ると胸に迫る表紙ですが、最初には見たくなかったなぁ。黒髪の方がアンドロイドだと思って読み始めてしまいますよね、これだと…(でもこちらの作者さんなので、あえてなのかな?)
●表紙がこうだったので、冒頭の骨壺とスマホの待受は、初読であぁそうなのね…と思える。でも、窓の外を見て微笑む弥凪の表情は…読み終えて初めに戻ったときに、改めて意味を考えてしまう。「ようやく…」という感じなのか…
●生前の葵はどんな人だったのかな。なんで弥凪は「性愛強化モデル」を選んだんだろう。元々葵は物事を難しく考えないたちだったのかもしれない。弥凪は悲しくて寂しくて、とにかくアオイに愛されたかったのかもしれない。「性愛強化モデル」だったから葵じゃないと感じてしまったのか、それともどれだけ高性能でも弥凪の心を埋めることなどできなかったのか…。弥凪が「葵でなければ生きていけない」と思うに至ったアオイとの時間に、思いを巡らせてしまいます。
●ヤナギを抱きながら弥凪に「行かないで!」と叫ぶアオイの姿も強烈だった。振り返る弥凪の表情も。アオイは、頭では理解できなくても、心は弥凪とヤナギは違うと分かってたんじゃないのか。でも翌朝目覚めたときにはもう…ヤナギを心から愛するアオイになってる。スマホの待受はヤナギが差し替えたのか。それとも弥凪が…?
●海に入る弥凪の表情が幸せそうなのがまた…これは救いなのか?このやり方で良かったのか?と考えさせられる。でももう、この世界にはヤナギとアオイしか残らない。ヤナギはアオイと幸せに生きられる?せめてそうであってほしいと願う。
●ヤナギとアオイ、花言葉調べてしまいましたよね…意図があるかどうかは分かりませんが…