このレビューはネタバレを含みます▼
●表題作5話と、それとは別のお話『禁じられたあの夏へ』2話、表題作の描き下ろし他。どちらも高校生のムズムズとする恋模様。
●表題作。養子に入った家でうまくいかず、お金を貯めて早くこの町を出たいと思っている風雅。高3の夏、海の家バイトで純とその家族に出会う。
●純は不思議な子。高1だけど幼くて、天真爛漫で、表情豊か。子どもみたいに泣く。風雅を独り占めしたがったり、急に体に触ってきたり、欲求にも素直。そんなひとつひとつが風雅には眩しい。恋愛感情の描写はふわっとしてるけど、ちょっとずつ惹かれてるのは分かる。
●風雅は養父母とは縁切ったのかな…?みのりは??和解は難しかったのかもしれないね。そのことを含めて純の家族は風雅を純の恋人として(家族として)受け入れたんだろうか。若干違和感はあります。でも、温かい。ずっと風雅が欲しかったもの。
●「家族になる」ということに重きが置かれている気がしました。えっちはしてますが、ちょっと唐突かも。展開やや粗いですが、純に癒されてほっこりします。
●『禁じられた〜』好きでした!幼い日々に弥に抱いた感情と秘密の触れ合い。全部を弥の目の前で否定して、逃げた海吏。再会してもそれはなかったことにして、弥が話をしようとしてもまた酷い言葉で傷付けて…
●でも、そうしないと立っていられなかった海吏の弱さが愛おしいと思う。そんなへっぽこな海吏でも、弥が「全部ひっくるめて好きだ」って言ってるならそれでいい。ちゃんと自分の言葉で弥にごめんを言えた海吏は、ちょっとは大人になったかな。もう泣かすなよ!
●弥の姉が再登場時に急に肯定的になってるけど…きっとあのあと姉弟でたくさん話をしたんだろうなって思ってます。良き理解者になってくれたということで。