あおに鳴く
」のレビュー

あおに鳴く

⋯余韻が⋯切なくて愛しい

ネタバレ
2022年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 物語の冒頭から、タイムスリップものとわかるので、どう展開して行くのか、司朗と菊さん(鴻)の日常が愛おしい。
なぜ、菊さんが司朗の元に来たのか、司朗が菊さんの剣道の構えを見た時の既視感や、かよこさんの呟きで想像がつくのですが、菊次郎さん(司朗の祖父)と鴻の過去が切なすぎました。
鴻が元の世界に戻った後、物語の最初は司朗の小さい頃の写真が、菊次郎さんと一緒だったのが、両親と笑っている写真に変わっているので、鴻は菊次郎さんときちんと話してから戦争に行ったのでしょう。出来れば、鴻さんもあの時の空で、諦めずに戦っていて、今でもどこかで生きていて欲しい。
司朗と鴻が一緒に生きている未来が見たかったけれど、元は違う時代に生まれたので、こういう終わり方になってしまうのは仕方ないのかもしれない。でも、一緒にいた時は、司朗がとても幸せそうだったので、それは残念だけれど、余韻の残るとても良いお話でした。
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