最愛なんてゆずりません!
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最愛なんてゆずりません!

須坂紫那

ひとまず完結

ネタバレ
2022年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『恋愛なんてゆるしません!』シリーズ5作目で完結巻。


前作で期間限定の同棲生活をした藤堂と霧島が本格的に一緒に暮らすことを考え始めていて、1作目から二人を見守ってきた読者としてはとても感慨深い。

弟の方が進学で先に家を出ていて、母親を一人残すことに躊躇する霧島の気持ちや母の想いが伝わってきて、いくつになっても親にとって子供の幸せが一番なのだと温かい気持ちになった。

霧島とは真逆で家族の縁が薄い藤堂もほんの少し歩み寄りの気配が見え、父親とはまだまだ時間が掛かりそうだけれど、母親もお兄さんも二人を見守ってくれそうでホッとした。

二人のからかい要員だった名波にも少しだけ心境の変化があったように見えたから、彼にも心許せる唯一の人が現れたらいいなと思う。


なんとなく、この作品はずっと続くのではと思っていたから完結となるのは凄く寂しい。あとがきで作者さんが《ひとまず》と書き足されていたので、いつかまた二人の物語が読める日を楽しみにしていたい。
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