ゴールデンライラック
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ゴールデンライラック

萩尾望都

う、うまい!! やっぱり読ませる漫画だった

2022年7月16日
シーモア島「別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都」スレッドでお勧めいただいた。恋愛物なので私の好みに合うかも、と。確かに私が最も食いつきやすいジャンルだった。ズーン、ドーン、ザワーっの読後感がない。ちょっと気楽に読める。
表題作はビリーとヴィクトーリアの長い人生の旅路を大河ドラマ調で、「ばらの花びん」は陽気な喜劇仕立てのカップル成立の顛末を描くブラコン姉さん視点ストーリー。でも私はお姉さんに同情する。「マリーン」は、私が従来萩尾望都先生作品に抱いていたイメージそのままの空気の作品。追憶と恋愛する、時間彷徨のラブストーリー。
絵も上手ければ、語りも上手い。萩尾望都先生の手にかかると、どこにでも転がってそうな話が、見事な仕上がりの佳品に変わる。全くお手本のような珠玉の作品集。発表年をみると、表題作と「マリーン」とが近いが、領域的には、「ゴールデンライラック」は「ばらの花びん」と合う取り合わせ。
ビリーがおじおばの家に来る日の夫婦二人会話は、状況説明させる為だけのためにわざわざ会話させているようで、説明口調が多少強引な印象。


奥付入れて全278頁。
「ゴールデンライラック」150頁 別冊少女コミック1978年3~5月号
「ばらの花びん」前後編計68頁 プチフラワー1985年2~3月号
「マリーン」原作/今里孝子氏 全52頁 月刊セブンティーン1977年5月号
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