夢か幻か、白木蓮の君





2022年7月16日
白木蓮の道を抜け道祖神の横を通り、山深い辺境の地に民話を集めに来た高輪。けもの道の奥の温泉で白髪白肌の少年、透と出会う。自分のこの姿は先祖が白蛇の神様を蔑ろにした祟りだと言うが、夕暮れの薄暗がりの中にほわっと浮かび上がる一辺の白い花の様で美しい。一話は出会いのみだが初めて透を目にして見惚れ動揺した高輪の様子や、話しながも横目でしか見られない照れた表情に二話以降の展開が期待出来る。高輪が世話になる早坂家の蔵に住む透を、使用人の小野寺はこっそりと夜に訪れて白い身体をむさぼっている。挿入時の小野寺の組伏せる体 位で力関係や透をどの様に扱っているかが分かり心が痛む。高輪との交わりは小野寺のそれとは違い心が通じたものだが、透を味わう舌先を見ると複雑な気持ちに… 小野寺も初めは純粋な気持ちだったのではないか?独占欲が彼を歪めたのではないか?高輪も同じ道を辿るのではないか?と。いや、きっと大丈夫だと信じたい。高輪自身が自問自答している姿に希望を託して。最後 透の存在が夢か幻か、はたまた現実か分からぬままだが、これは此れで余韻のある終わり方で良いと思いました。透の居る所は白木蓮が咲く。高輪の故郷の海辺にも咲いた。あの暗く湿った蔵から透を解放したのは間違いないのだから。それにしてもR18とは、つくも号先生とは凄いもので、中々あんなにリアルな描写はお目にかかれないのでは? スマホを横にして拡大画面で見ると迫力がスゴイ!あ~、こういう作品に出会うと自分専用のタブレットが欲しいと痛切に思う。個人的に高輪のお腹に乗る小振りの袋がツボです。そして攻めの※を初めて見ました。普通の人々の内に秘めた仄暗い部分、欲望、肉感のある身体、リアルな体 位、表情が生々しくて 時に痛々しくもあり、本当に上手い!つくも号先生の作品は試し読みで全てチェックしましたが、ショタ全面の商業色が強いモノが多い印象で手は出せずにいました。この作品も少年との性描写は濃いですが、画力の高さと構成の上手さで物語の一部としてスッと入って来ますし、神秘的な存在感ですからショタが苦手な方も大丈夫かなと。民話を集める高輪自身がいつしかその一部となり、それを俯瞰して見ている自分がいて、まるで民話の春画を見ている様な気持ちになりました。
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