極夜
」のレビュー

極夜

文善やよひ

切ないけれど

ネタバレ
2022年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様の「『鴆-ジェン-』→『極夜』→『鴆-比翼の鳥-』の順に読むと話が繋がりやすいかもしれません」との言葉通りに読みました。
表題作は人の世の常世と現世の話。もう1つ『鴆』の番外編が入っています。
表題作はとても切ない。現世で、人ならざる者の旅寓で働く天野。常世の王、ツクヨミが、昔自分の目の前で海に落ち、失踪した幼馴染の観月に似ている事が気になる。ツクヨミは常世に住む唯一の人間で、現世の記憶は無く、実は自分の身代わりになっていた事を知った天野が、現世でツクヨミと過ごした事で、常世まで追いかけ、ずっと傍に居ようとする。常世では現世の記憶は消えていってしまうようで、現世でも同じ様な未来があったかもしれないツクヨミの想い、まだ、現世の記憶がある天野の想いが、やるせない。2人が幸せそうなのが救いかな。
『鴆』の番外編は、1巻の後の2人の日々。ツァイホンが可愛い。こちらはとても幸せそうでした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!