#50日後に離れるBL
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#50日後に離れるBL

りんこ/三原しらゆき

この時間がもたらした救いは何か?

ネタバレ
2022年7月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●Twitterでの連載だったとのこと。個人的にはまとめられるにあたってタイトルは変えていただけたらよかったな…と思いました。「あと○日」の表記も抜いて、「○日目」のカウントアップのみにして…。それでも読み進めると、中盤を過ぎたあたりで何日目でこの物語が終わりを迎えるのか分かります。「50日後」と最初に見せられることで、今どのあたりなのか?と意識しながら読んでしまい、私には没入しにくかったです。
●(ネタバレ→)この日々は二人にとって一体なんだったんだろうか?と考えてしまいます。隠していた気持ちを告げた、隠れていた気持ちに気付いた、友だちから恋人になった、キスもえっちもした…二人のとてもとても大切な時間。
●でも、“その日”に区切りがついたのは洋介の方だけだったのでは?雅美は、「嘘をついてでもお前の命を守ると決めた」という洋介の想いを消化&昇華するのに、きっとまだ時間がかかるでしょう。しかも腕時計が残された。洋介は「お前に大切な人ができるまで」と言うけれど、この腕時計は雅美を縛ることになりはしないか。
●死別BLは、覚えている中では他に1作品しか読んだことがないのですが、そちらは遺された側が相手の死を受け入れ昇華して自身が変化するところまで描かれていました。本作では、雅美は洋介との思い出(≒腕時計)と一緒に死ぬまで生きていくと決めたように見えます。それもひとつの救いの形かもしれません。
●書き下ろし小説は40日目の初えっち、漫画は二人の出会いを。洋介、男前だなぁ…。おまけ漫画、私はアリですね。洋介とともに生きていくと決めた雅美には、こんな逢瀬があってもいいと思うから。
●作者さんの『狐と坊主』のシリーズを読んでみたくなりました。機会を見つけて手に取ってみます!
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