さらわれた純潔の花嫁
」のレビュー

さらわれた純潔の花嫁

メイシー・イエーツ/潮見知佳

タイトルは不穏だけど…

ネタバレ
2022年7月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 内容はすごく良かったと思います。それに作画がとても綺麗でした。今作の真の主人公は、フェリペ王子ではないかと思えるほど存在感がありました。フェリペ王子が残虐で横暴な父王の呪縛から解き放たれて、新しい国を作るために彼自身が生まれ変わることが必要だった。そのキーパーソンがヒロインのブライアでした。ブライアには、フェリペの真の姿が見えていて、やがて彼を心から愛するようになります。しかし、フェリペは父王の崩御の後、ブライアを解放しようとして、つらく当たり彼女は母国に帰ってしまいます。父王のように妻子を束縛して横暴になることを避けたいフェリペの精一杯の思いやりだったのでしょう。しかしブライアが去った後に、彼女を失ったことで、彼にとって彼女の存在がいかに大きくなっていたか…そのことに気づき、心が引き裂かれたような想いに打ち震えて、この想いこそが彼が知らなかった「愛する心」だと知るのです。そしてフェリペはブライアを迎えに行き、彼女に愛していると告げ、二人はブライアの両親や、育ての親、そして二人の国の国民に祝福されて結婚します…フェリペは本当に素晴らしい国王になるでしょう。これは親の呪縛に囚われていたフェリペの再生の物語ですが、彼の心を甦らせたのは、間違いなくブライアで、彼女はヒロインに相応しい存在でした。
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