ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイ

野田サトル

こんなに面白いマンガが他にあるか!?

ネタバレ
2022年7月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 完結したのでレビューをします。
日露戦争帰りの主人公「杉元佐一」とアイヌの美少女「アシリパ」の陣営を軸に、新撰組の生き残り土方歳三、帝国陸軍第七師団率いる鶴見中尉の三陣営が、隠されたアイヌの埋蔵金をめぐり、明治時代を舞台に戦います。
網走監獄を脱獄した囚人には、埋蔵金の在り処を示す刺青が彫られており、その脱獄囚の刺青を広げ、つまり剥がして合わせることにより暗号が解けるという衝撃的な設定。
第一巻からしっかりと練り込まれた伏線、登場人物の濃厚な人格設定、無駄な解説が無くスピーディーな戦闘シーン、綿密に取材されたであろうアイヌ文化、アイヌ料理と行く先々の郷土料理。
数コマしか出てこない登場人物にも人生や性格を読み手に想像させるよう描かれており、登場する数々の変態たちにも、変態なりの人生があると理解させてくれる。
グロテスクな描写、前述したように変態的な描写も多く、コンプライアンス的にかなり攻めた内容がある。
ストーリーは設定上どうしても難解になり、パーティも敵味方入り乱れるのでわからなくなることがあるかもしれないが、きちんと読み込んでいればわかるように描かれている。
画力が高く、「これは何をやっているのかわからない」というシーンがない。
登場する女性が内面的に強く、反面男性陣は身体的には強くても内面的には弱いという設定が一貫している。
なんとかと天才は紙一重という諺があるが、この作者は変態と天才は紙一重。
絵もうまいがマンガ力がとても高い。
このレビューで面白さを伝えるには難しいが、平成令和を架けるマンガの傑作!
是非とも読んで頂きたい!
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