閉じこめちゃってもいいんだよ?【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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閉じこめちゃってもいいんだよ?【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

にこ山P蔵

ケンジの言葉がどれも素敵

2022年7月28日
引きこもり陰キャ主人公×宅配アルバイトのパリピ系黒ギャル男という、どこかで何回か見たような組み合わせですが、試し読みでラストが気になって読んでみました。

【主人公ケンジの「俺に監きんされていきませんか」というめちゃくちゃな誘いに軽く乗っかったジュリオ。もともとケンジ→→→ジュリオという関係から始まったが、ケンジの真摯な言動にジュリオも惹かれていく。しかし、ワケありのジュリオは…】

ハイテンションなコメディBLに見えて、実はハートフルでしたねー。

ジュリオはある意味、誰かと生きることを諦めていたんだと思います。自分の価値は身体や顔しかない、ワケありの自分がカタギの生活を送れるわけがない、と。すごい陽キャで自己全肯定マンなのに、繰り返しの出来事に頭が凝り固まっちゃったのかな。ケンジが想いを言葉にしたり、行動に移したりしたことでその凝りがほぐれて本当に良かったです。

ケンジの言葉がいちいちかっこよくて素敵で、感動しました。一番好きなのは「ジュリオさんは誰のモノでもなくあなた自身のものです」自分を大切にするって難しいけど、誰かに大切にしてもらったら自分にはそれだけの価値があるときっと思える。ジュリオもこれからは自分を大切にしてくれることでしょう。

コミカルさもシリアスさもちょうどバランス良く入っていたと思います。読んだあと穏やかな気持ちになれる作品でした。
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