このレビューはネタバレを含みます▼
この作品はどこに重きを置くかによって評価が分かれると思います。さすが丸木先生の作品ですね!ただ今まで私が読んできた作品とはちょっと違うので、私自身読みながら、あれ?いつもとちゃうな〜と最初は楽観的だったのに、途中からちょっと不安になったぐらいです汗。でも終盤は間違いなく丸木先生ならではでした。
まず、先生の作品の攻は一途・執着・溺愛の三つ揃えプラス時々依存or変態って感じなんですけど笑、こちらの攻の桐谷は、一途というより受に興味があっていつでも見捨てられる、執着してるけど自分の思い通りにならないならいらない、溺愛するとは思っていなかったけど結局そうなってるって感じです。あまりにきつい人で、私も最初は攻を好きになれるか心配でした(>人<;)。でもね〜、読んでて、あれ?これどういうこと?何で紡はこんなこと思って(考えて)いるのだろうと思うところがしばしばあって、あまり深く気にしなくてもいいのかなと釈然としないまま読み進めていたら、あとから出てくる出てくる…。まるでマトリョーシカの如く、一度玉手箱を開けたら中にまた玉手箱が入ってて、次々に明かされる真実とキラキラお目目の紡の対比にこちらも一度堕ちます。結果、攻の存在の大きさに気付かされましたね!
自分を守るために幸せな世界を創り上げないと生きていけない紡が、桐谷のパペットのように生きているかに見えて、ヒーローに守られ囲われる。歪な関係性でありながらそれが良いカタチなのかなと思いました。
評価が難しく迷いましたが、やはりこれだけ伏線を散りばめておいての回収が本当に素晴らしい!!仄暗さと隠された真実に圧倒される作品です。