どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます
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どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます

碧貴子/すらだまみ

想いが通じ合うまでのふたりが切なかった

ネタバレ
2022年8月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王太子という立場のリュシリュール。
常に動じず冷静に感情を表に出さないよう教育された彼だが、あまりにも好意を抱き過ぎる婚約者アニエスに対してだけは自制心が効かず、心乱される反動で彼女に歪んだ感情をぶつけ傷つけていた。
国の内紛を解決する為に父国王に利用されたことで、アニエスから三行半を突きつけられ暴走し、彼女を閉じ込めてしまう。
ここでのリュシリュールの言動が全く持って宜しくない。
想いを拗らせ過ぎて狂おしいくらい愛してるのに、殺したいくらい憎んでいると素直になれず憎まれ口ばかり。
アニエスに対する暴言や貶める行動すべて、彼女に対してだけ自制心が効かないリュシリュール自身への怒りのように感じてしまった。

すったもんだの末なんとか夫婦になったふたりだけど、彼が本当に愛しているんだと誠意を示す為、心を伴わない夫婦関係は持たないと宣言。
夫婦関係に応じないことで、自分への愛を試すかのように毎晩、リュシリュールを煽り翻弄させるアニエス。
決心が揺るがない彼に次第に心を解きほぐされていき、なんとか想いが通じ合い……ほっ ここまで辛かった。

あっという間に溺愛に変わるけど、2巻では不安の残るアニエスの心を満たそうと閨で狼?の耳を付けたり尻尾を付けたり言いなりになり、やりたい放題させて、1巻前半のふたりに比べると微笑ましいというか笑えるというか。

兄王子オーブリーの問題も一筋縄ではいかなそうで、続きはweb小説で読んでます。

ふたりの絆はもう大丈夫そうだけど、他でまだまだ揉めそうなので続きが楽しみです♪
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