このレビューはネタバレを含みます▼
●作者さんの作品には毎度きゅんとさせられてます。表題作、一度恋を諦めた宮野と、なびかない宮野に「身体だけ下さい」と食い下がった厳原。セ フレを続けて4年、宮野が恋を諦めた原因になった元カレ高尾が患者として現れて、二人を動かします。
●厳原の一途さがこたえるわ…。身体だけで嬉しいわけない。本当は自分を見てほしい。高尾が目の前に現れたことで、気持ちを宮野に漏らしてしまった。宮野もそんな厳原の表情に揺さぶられる。
●身体だけ手に入れたけど本当はデートとかしてみたかった、っていう厳原と、高尾とはできなかったsexをしてみたかった、っていう宮野と…対照的だけど、本当に欲しかったのは相手の心でしょう?そのことを二人でちゃんと確かめ合えたのが良かった。
●『ファースト・ラブ』はタイトルのとおり。厳原にとっては初恋。宮野も、いわば二度目の初恋。恋愛初心者の二人が付き合い始めて加減が分かんなくなってるのがかわいい。出張先まで追いかけちゃうとか!正面から抱き合ってするえっちが初めてとか!
●表題作に出てくる食堂にいる二人、何かのスピンオフ…?と思っていたら、後半の『また明日朝食にて』が彼らのお話でした。描かれたのはこちらが先のようで、宮野はキューピッド役で登場してます。
●ヤスもナツも相手のために自分の生き方を選んでるのに、言葉が足りないから…食い違っちゃうんですよね。ずっとそばにいるのに、これからもそばにいたいのに、肝心な一言が足りない。ヤスが宮野に本音をこぼしてるシーンが好き。ナツのことめちゃくちゃ大事にしてるのが分かります。鈍いのはナツの方だったのかな。
●切なくもあり、ほっこりもできて、良かったです。なお、『ラブ&テイク』に厳原と宮野の続きが2本掲載されてます。そちらも良かった!