赤くて甘い
」のレビュー

赤くて甘い

芽玖いろは

ちゃら系ホスト✖️訳あり医者

ネタバレ
2022年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 独特の凄みある色気絵を描かれるいろは先生ですが、「赤くて甘い」→「青くて苦い」→「ウルフハウンド」(レビュー時単話にて連載中)とスピンオフが続いて、どれから読んでも大丈夫だと思います。
苦い方は、痛いほどの感情がせめぎ合ったりすれ違ったり、苦さが一冊通して上手く染み込んでいるような内容ですが、こちらの甘い方はタイトルが表すように、なんだか可愛くてほっこり甘いです。
ホストのナイト(福島有朋)が、太客兼家主のちえ子に気になる人(歯医者)に出会ったからと追い出され宿なしに。居候先は、ゲイカップルでホスト仲間のミヤとタマの同棲部屋です。(「青くて苦い」の2人、同棲後の様子がこの甘いの方でちょろっと描かれています)
私は、苦いから読んだのでこの2人のその後が読めて良かったなと思ったので、順番に迷われている方は個人的には「青くて苦い」からをおすすめします。
マスクの歯医者の素顔を見たくて治療に通ってみたり待ち伏せしてみたり、お馬鹿な有朋ですが、先生の悩みを逆手にとって初めは揶揄うようなつもりでいたのにいつの間にか真摯に向き合い、ちゃっかり支える存在感増し増し!
赤面する先生が可愛いです。

「俺らだって本当の事言う時だってあるわけじゃん。信じてもらうにはどうしたらいいと思う?」
息をするように嘘を吐くホストとしてやってきた有朋の見せるチャラさ(冒頭で都合よく誕生日を使い分けるシーンがここに来て凄く効いています)が持ち味だった有朋が、皮肉にも切実な展開となって、自分の心の在り方をどうしたらいいのか見せた一番の台詞かも。
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