短編映画っぽい

表題作品ともう1作。
表題作は吸血鬼の高校生もの。
深く考えずに読む作品です（子供の頃はどうしてた？そんな量で足りるの？親の仕事は？などなど）
2人の表情と少ない背景など雰囲気が好みであれば、短編映画のような良さを味わえます。
所々そうではないシーンで現実に引き戻されますが。
シンプルな作品で、色で例えるなら白、そこに差し色の紅がはいっているような、吸血鬼と人間の恋愛ものです。
もうひとつの作品は「野良猫閣下の美しい人」
野良猫が語ります。普通の野良猫です。
これも良かった。静かに始まり静かに幕を閉じる。
深く掘り下げなくても心情をうまく描いてある。ことさら細かい続きなんていらない。
短編でこそ光る描き方をした良作です。