蝶のみちゆき
」のレビュー

蝶のみちゆき

高浜寛

苦海

2022年8月21日
なぜ最後の章が業火なのだろう?
家の為にその身を売られ、病気、堕胎、身も心もすり減らし、上手く年季が明けても”おかえり“と迎えてくれる実家は当にないであろう。
そんな女性達の最期に、それまでに背負った辛さ、苦しさ、様々な重荷を焼き付くしてくれるという意味の業火なのだろうか?
それとも一度でも遊女に身を堕としたら、もう底なしに堕ちていくしかない悲しさの例えなのだろうか?
……どこからか三味線の音、話し声、遊廓の喧騒が聞こえてくるような……切ない余韻が残りました。
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