グレイゾーン
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グレイゾーン

朝御飯丸

デビュー作、話も見せ方も素晴らしい

ネタバレ
2022年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単話の表紙の雰囲気に引き込まれ、まとまったら読みたいと思ってました。試し読みで感じた不穏感とは、また違う不穏な方向に向かっていってました。
内定をもらい、実家、大学、バイトを行き来するだけの生活を送る晶は、刺激の無い自分の生活を不満に思ってました。それが、バイト仲間で優秀でイケメンで性格も良い完璧な創一と、たまたま創一のアパートで男同士を経験してしまいます(創一はチャンスを逃さなかった)。創一とのsexと、何か隠し事の匂いに、自分にも刺激のある生活して来た〜!と思ってハマります。でも、それも束の間、創一がただの多方面に優秀な良い男だと分かると、気持ちが一気に冷めるという、晶の心持ちがなんとも。創一が自分を満たさないと分かってからの切り方が、なかなか酷い。まあ、創一も負けてないので、お似合いなんでしょうが。晶は、モラトリアムで、普通とは違う自分(生活)が好きで、創一の「好き」に異常性を感じる方が嬉しい。ラストに向かって加速して見えてくる晶の本質が、BL的には面白いです。親世代としては、晶、う〜〜んですが。
デビュー作だそうですね。キャラの描き込みや見せ方が素晴らしい。晶も創一にも愛着湧かないけど、惹き込まれます。これからの作品も期待します。
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