性の劇薬【電子限定描き下ろし漫画付き】
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性の劇薬【電子限定描き下ろし漫画付き】

水田ゆき

エロ特化でない性と生を深掘りした作品

2022年8月25日
まだBL読み始めの頃に読み、度肝を抜かれた作品。(いろんな道具とかもこれで知った)
その続編が出たとのことで、再読&レビュー。

拘束してイキ狂う程の快楽を与える、という過激な行為自体にどうしてもスポットが当てられてしまうけど、それが陵 辱目的でも、自らの性欲目的でもないところがエロ特化な作品でない所以だと思いますが、評価は分かれるかもしれません。

全てを失い、死を選んだ、生が空っぽの状態の誠に性の快楽を植え付け、生きていることを実感させる。
その龍二自身にも凄惨な過去があり、生への執着もなく。

性という劇薬で、生を得た誠。
その誠によって生の劇薬を得た龍二。
そんな2人に劇薬がじわじわ浸透して、生命力と血の通った繋がりが見られる、後半への変化がまたよかった。
生と死と性と…をここまで深掘りして考えさせられる作品はなかなかないと思います。
作者様初コミックスというのに驚きです。
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