嫌な奴
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嫌な奴

木原音瀬

だれのことだ

ネタバレ
2022年8月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先、というか、ラストが全く想像出来なくて、次へ次へと進めていかなくてはと、一気によみました。本心を隠していい顔する男と、嫌われていると知っていてそばに居続ける男。どちらも嫌な奴に違いない。でも、離れない。それぞれの理由があって離れていかない。人の気持ちの理不尽さが余すところなく。生徒に偽善者だと詰られるところで、初めて仮面がばれたと慌てるけれど、初めてなのかな?って。木原作品は何度も読み返してしまう。これも。いい気分になる作品ではないと思うのですが、生きているうちには避けられないものを物語として読めるってなんとも…。ラストの一文。血を吐くような。それがトドメでした。
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