無恋愛紳士
」のレビュー

無恋愛紳士

ARUKU

何度も読み返したい一冊

2022年8月26日
無性愛者の蘇芳に、ストーカー並みに求愛し続ける日夏。断られても、ひたすら好きだと言い続ける。結婚して家庭を持たないと不幸だとする社会の風潮の残酷さ。また生命が尽きる瞬間まで、どう生きるかの選択。悩んだり苦しんだりする人へ、この作者様は日夏を通して応援してくれているように思える。スズメや元妻、海でのアルバイトなど、日夏と様々な経験をするうち、蘇芳の心に変化が生まれる。そして失って初めて分かる、愛したいという欲求。そして、最後のコマに書かれた台詞。胸が締め付けられる。エチは控えめながら、ストーリーが本当に素敵。ところどころのギャグも、シリアスになり過ぎない良いスパイス。この作者様にしては受けが女っぽくない。
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