パーフェクトプロポーズ
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パーフェクトプロポーズ

鶴亀まよ

人と人との関わり方を考えさせられる

ネタバレ
2022年8月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●帯に「生きるために必要なもの=睡眠、美味しいごはん、キミ」ってあるんですけど、質の良い睡眠もごはんも甲斐が浩国にもたらしてくれたので、つまるところ「浩国が生きるために必要=甲斐」です。そして、浩国に必要とされることが甲斐の拠り所でもある。
●浩国の勤め先のブラックさが個人的にかなりズシンときました…。金子は途中でモブから格上げされたんだろうか。良き先輩なんだけど、もう少し早く助け舟出してあげられなかったか?!まあ最終的にはちゃんと拾い上げてくれたけれど…
●浩国自身、人に溶け込んだり自分を開放したりするのが苦手なのかも。甲斐と出会った頃のエピソードもそんな感じ?学校に居場所なかった?甲斐を日々の話し相手にして過ごした。幼い甲斐にとってはそれが「自分が必要とされた喜び」になったんですね。
●甲斐の方も幼少期からの積み重ねで「期待しない、諦め癖」がついてる。そんな甲斐が浩国に対してだけグイグイくるのは少し違和感あるのですが…唯一欲しいと思ったものなのかな…
●最終話のエピソードで、甲斐が「自分は欲しがることもしてはいけない」と考えてしまったのは悲しかったな。店主の息子も、そんなつもりで言ったんじゃない(むしろ感謝の気持ちでは?)と思うのに。店主は結局お店畳んじゃったのかな…ちゃんと和解してくれたかなぁ…
●消えてしまいたくなっていた甲斐を救ったのは、浩国のプロポーズでした。そこからえっちまでの展開はなんだか二人とも吹っ切れてかわいかった。描き下ろしとカバー下も、真面目さは残しつつ、人間らしく満たされてるんだなぁと嬉しくなりました。
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