僕の美しいひと
」のレビュー

僕の美しいひと

カシオ

考えさせられます

ネタバレ
2022年8月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めてカシオ先生の作品読みました。BLのAIものが苦手なのでこの作品も迷いましたが評価がすごく良かったので購入。欧州のパブリックスクールを思わせる世界観が物語とマッチしていてとても良かったです。

ただ和彦を取り巻く家庭環境がちょっと理解し難く、結果和彦の忍への乱暴な行いに違和感を感じてしまいました。
臓器提供させる為に造った息子のクローンを引き取りクローンと知らせずに次男として育てる親、いざ息子の心臓に移植が必要になったら次男を差し出すつもりだったのだろうか。母親も常に葛藤はあっただろうにクローンとバイオロイド(セクサロイド)を区別し蔑む事で自分を正当化して納得しようとしていたのだろうか。その歪んだ価値観を持った母親が身近にいたから和彦もバイオロイドを軽蔑するの?
DNAが同じとはいえ経験が異なる和彦が莫大な利益を生み出す企業のトップに成り代わる事が出来るのか、お飾りのトップだとしても不意打ちとはいえ利権を手放すことを一族が簡単に許すのだろうか、、なんて現実的な事を考えしまいました。フィクションなんですけどね。面白い話しだったのでもうちょっと読み手が納得行くところまで描ききって頂けたら見事な作品だったのにと思ってしまいました。
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