モブサイコ100
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モブサイコ100

ONE

戦わなくていいといってくれる大人

ネタバレ
2022年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少年漫画といえば、少年ながらに特殊能力や知能、パワーを持っていて巨悪と戦うというのがスタンダードな構成ですが、モブサイコに出てくる霊幻新隆は自分は力を持っていなくて、モブが強いことをちゃんと分かっているのに「戦わなくていい」と言ってくれる貴重な大人で、もうこれを見てしまったら他のストーリーでも脳内でどうしてこの話には「霊幻新隆がいないんだ」とつい思ってしまうほどになりました。
どれだけすごい超能力を持っていても、それは単にその人の特徴の一つであり、一番大事なのは「人間味」だとモブにも、その他のキャラにも、そして読者にも教えてくれます。
悪の組織の下僕たちに、「ブラック企業じゃねぇか」と指摘し、本人たちに気づかせていくシーンや、超能力があるからといって「この缶あんたらにこれが作れるのか? さっき壊したガラスのドア、直せるのか?」と、能力があるからといって何でもやっていいわけではないと繰り返し漫画で伝えられ、能力にあぐらをかかず元々体はひょろいのに肉体改造部でへろへろになりながら努力で自分を強くしていくという話の方向性がとても好きです。
能力バトルなのに、ときに無能力の霊幻が相手を言い負かしたり、ズルをしたりしながらも重要なポジションとして一緒に戦ってくれるのがギャグ要素も込みでとても面白いです。
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