可愛く鳴いても逃がしてあげない
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可愛く鳴いても逃がしてあげない

西山アラタ

攻のギャップにご注目!!

ネタバレ
2022年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 気になった作品ですので購入しました。作者様の作品は「俺のムスコが…」を読んでいます。相変わらず絵がキレイですね〜!特に主人公の蒼葉がめちゃめちゃかわいいです。

この作品の魅力は主人公が等身大で描かれていることでしょうか…。ブラコンとかシスコンって大抵一方がすごく溺愛していて、もう一方がウザいと思うか、現実的だったりするのをよく読むのですが、この作品はバランスがとても良いです。兄は弟を心底可愛がっているけど、何より弟の気持ちを大事にしているし、弟は兄に憧れているし、見ていてほほえましかったですね。そして物語の核となる部活の件。怪我とかいじめとかがあったわけではなく、胸の中で蓄積された頑張ってもできない虚しさ、苦しさ、申し訳なさで押し潰されそうになる繊細な心情が丁寧に描かれていて、すごく共感しました。あの時に救ってくれたシマの言葉の大きさに、蒼葉でなくてもウルッと涙を誘います。

また、攻のシマのキャラクターもこの物語を大きく動かすキーとなるのですが、蒼葉とゆかいな仲間たちが素直であったかい雰囲気だからか、シマが少し異質なんですよね。もちろん、シマがそういう素質を持っている理由は後半で明かされるのですが、今まで爽やかだったのに急にねちっこい発言をちょいちょいぶっ込んでくるので、こちらも「ん?急にどうしました(O_O)?」ってなりました笑。言葉のもつ美しさを盾に自分の欲望を剥き出しにする感じがどうしても違和感に感じてしまい、エチの時の表情もハマらなかったかな…。口の がぱっ にゾゾっとしました笑。ダークヒーローとか執着・束縛系とか好きなのになぁ…。

でも全体的に面白かったですし、私が勝手にシマについていけなかっただけです。すみません(^_^;)兄やんがベラボーにかっこよす!ぜひスピンオフお願いします!
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