白紙の上でさようなら
」のレビュー

白紙の上でさようなら

天井フィナンシェ

優れた画力とオリジナリティ

2022年9月8日
絵がとても綺麗で、飄々とした雲水先生のキャラクターにも好感が持てます。ひとつひとつのエピソードにオリジナリティを感じ、既存にない作品かつ共感性のある描写をしようという努力が伝わってきました。ただ、主人公、母親、姉の感情の起伏が極端すぎるというか…。例えば「家族との関係性で自分の漫画が描けなくなった」というエピソードがありますが、そのシーンの演出や台詞が過剰で「実際にそんなことがありそうだなぁ」というリアリティよりも、昼ドラを見ているような作り物感を感じてしまいました。1巻から登場人物や濃いエピソードが急にドバッと出てくるので、できれば徐々に小出しにして、先が気になるような構成にして欲しいと思いました。いろいろと詰め込み過ぎのような気がします。
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