きょうもたのしくいきましょう
」のレビュー

きょうもたのしくいきましょう

平眞ミツナガ

つつがなく平穏に暮らす息苦しさ

ネタバレ
2022年9月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読みホです。
クラスの中で自分の立ち位置を忖度しながら守っている攻め。ボッチをモノともせず自分に素直に生きているアウトローの受け。そこに絡むスクールカースト上位者の攻めの友人兼セ/フレ。SNSで仲間の悪口をばら撒くモブ。
現実のコミュニティでもあるあるな設定が、他人事とは思えない気持ちにさせられました。
そんな息苦しい中で、攻めが受けとの接触で変わっていき、ハブられる恐怖よりも自分に素直に生きる幸せが打ち勝ちます。
こんな展開には憧れてしまいます。

変にリアリティがある今作の中で、カースト上位者の夏木が怖かったです。
詳しくは描かれていませんが、自分の意思でクラスメイト1人を退学にまで追い込む事ができると思われている人物って…。人心掌握術にズバ抜けて長けていて、周りの人をまるで駒のように転がして生きている人。しかも容易にそうであると感づかせない人当たりの良さ。本当に怖いです。
そう思ってたら作者様後書きで彼氏を上手いこと転がしてってw吹きましたww

今作を読んで空気を読まないと批判されるような世間を渡る生きづらさを追体験しました。
もっと懐が深い世の中にならないのなら、今作の受けのように強くあれたらいいのに、なかなか難しいです。
いいねしたユーザ18人
レビューをシェアしよう!