アンシェーゼ皇家物語
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アンシェーゼ皇家物語

タイガーアイ/Ciel

1巻はハラハラ。2巻は楽しく読めます。

ネタバレ
2022年9月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻目の物語の中心は国の後継者争いですが、全ての元凶は皇帝の病的な女好きで、母の違う子どもを沢山作り、派閥争いを激化させ、後継者になるであろう第一皇子を決して皇太子に指名せず。その、さんざん好き勝手して自分が死んだ後は知った事か!という皇帝に第一皇子アレク始め周囲は振り回されます。皇帝の急死直後、まさに生死を賭けた後継者争いの緊迫感にはハラハラしました。アレクとヴィアの恋の障害だった皇帝と王妃が亡くなって、さあハッピーエンド!とはすぐならず、想い合いながらも離れ離れになる2人。父親は好き放題していたのに、国を思うアレクは好きな女性1人と一緒にいる事も満足に出来ない…。アレクと側近達の頑張りもあり、数年かけて周囲を納得させ2人は結ばれます。私のお気に入りは、家族愛に恵まれなかったアレクが異母弟セルティスに会って、彼を死なせない為の行動を即決断する所。父親を嫌悪しつつも、弟を作ってくれた事を感謝している所。セルティスもまた、父親がくれなかった絶対的な安心感をアレクが与えてくれて大きく成長します。2巻目はそのセルティスの恋物語で、1巻目で国が安定して平和になったのを読んでいる為か、こちらは割と気楽に読めます。最初、レイとは…?と思っても、姉上大好き!が出てきた瞬間「ああ!あの彼だね!」と分かります。偶然に、ほんのひと時一緒に過ごしたシアを、ずっと忘れられないレイ。幸せを願っていたのに、シアを不幸に陥れた彼女の婚約者に激怒し、側近ケインを使って制裁を加えます。皇族のセルティスと田舎の下級貴族のシアの恋は障害が多いですが、そこで活躍するのが皇后ヴィア。彼女に任せておけば大丈夫!という安心感が彼女にはあり、大ハッピーエンドに持っていきます。ケインも明るく良いキャラで、セルティスとの掛け合いも楽しいです。
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