このレビューはネタバレを含みます▼
僕は山村美紗氏の死後にこの推理小説の存在を知り、今回初めて、それもコミックシーモアで購入しました。「火の国殺人事件」と言う題名にもかかわらず、京都でホステスの死体が発見されたり主人公の「石原梨花」と言う女性の兄でカメラマンの「和彦」が北海道で死体として発見されたりと言うミステリーがミステリーを呼ぶあらすじでして、僕も「彼は北海道ではなくて熊本で殺されたんだ」と思い、まさにその通りのエピローグでした。それにしましても、この推理小説の殺人犯の「星川」と言う男、許せない極悪人ですね。自分の部下やスナックのママに連続殺人の片棒を担がせた上に、美しいすずらんの花までも悪用したのですから。また、「目撃者ご一報下さい」の文庫本に収録されています「青い札束」と言う短編推理小説同様、この推理小説は「競馬」がテーマになっています。僕が物心ついた頃には、先日他界しました山本コウタロー氏が所属していました「ソルティーシュガー」と言うフォークグループの「走れコウタロー」と言う歌が大ヒットしていました。この歌、山本コウタロー氏がいつも「ソルティーシュガー」のリハーサルに遅刻すると言う理由で、彼に対するペナルティーの意味で作詞作曲されたそうです。そして、この推理小説の舞台になっています熊本県は、八代亜紀さんや石川さゆりさんや原田悠里さんなどの演歌歌手たちの出身地としても有名ですよね。この推理小説の文庫本には山村美紗氏の長女で女優の山村紅葉さんの解説も収録されていますが、この推理小説の取材旅行が彼女と山村美紗氏の最後の「親子旅行」だったんですね。