親愛なるジーンへ 2(特装版)
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親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

普段BLを読まない人にも読んでほしい

ネタバレ
2022年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 待ち望んだ完結編です。
他の方もレビューで書かれているように、バッドエンドだったらどうしよう…という気持ちでしたが、そんな心配とは全く別の、愛に溢れた2巻でした。

特にトレヴァーからジーンへの愛は、温かく大きなものでした。ジーンを広い世界へ送り出すと決めてからの彼の献身、寂しさを堪えきれなかった教会での涙には、こちらまで号泣してしまいました。

ジーンは自分でも言っている通り、実はとても身勝手な人間。しかしトレヴァーもゲイであることを隠し、「自分がこの世界で一般人になる」ために、カレンという女性と結婚しようとした身勝手な過去がありました。
婚約者が実はゲイで婚約破棄…なんてことになったら、普通なら「裏切られた」と相手を憎んでもおかしくない。
それなのにカレンはトレヴァーの幸せを心から望み、長い間良い距離感の親友として存在し続けます。
トレヴァーはカレンに赦され、ジーンはトレヴァーに赦され…人は人を赦し赦され、この世界の中に存在しあっているのだなと感じました。

タイトルである「親愛なるジーンへ」という言葉が、色々な人を繋ぎ、物語が続いていく…という構成も素晴らしかったです。

BLの枠を超えた、至高のBL。ぜひ普段BLを読まない方にも読んでほしいです。
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