名探偵キャサリン
」のレビュー

名探偵キャサリン

山村美紗

「紫水晶殺人事件」

ネタバレ
2022年9月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作で1作目の「紫水晶殺人事件」と3作目の「呪われたルビー」はキャサリンシリーズではありませんが…。1作目の主人公で車のセールスマンの「野上陽介」と言う男が韓国で殺人事件に巻き込まれて殺人犯として誤認逮捕されてしまうと言う悲劇的なあらすじは、僕が先日読みました故・西村京太郎氏の「特急「おおぞら」殺人事件」を鮮明に連想させるものでした。被害者の「金淑蘭」と言う韓国人女性の主人公宛ての手紙で主人公の仕事上のライバルの「岡田宏」と「池田麻里子」が真犯人だと判明したと言うあらすじが素晴らしかったですし、主人公が母の形見として、そして被害者ヘのプレゼントとして韓国で有名な「紫水晶」と言う宝石を所持していたと言うあらすじも素晴らしかったです。2作目の「琥珀ブローチの謎」に登場しています「田村佐知子」と言う女性の「ブローチを使ったダイイングメッセージ」も素晴らしかったです。世の中には、3作目の殺人犯の「伊吹ユリエ」みたいな強欲な人間もいるんですね。愛人の妻を殺した上に、挙げ句の果ては主人公の「早川由梨」まで殺そうとしたのですから。そして、「伊吹百合」が残したダイイングメッセージも素晴らしかったです。「美しい薔薇には棘がある」とよく言いますが、4作目の「偽サファイアの秘密」の殺人犯の「藤麻矢子」と被害者の「安東志津子」、どちらも気の毒です。逆に、藤麻矢子に本物のサファイアをプレゼントし、逆に奥様に偽のサファイアを渡した「安東昭一郎」、とんでもない男ですね。この男こそ正真正銘の「浮気者」ですし、サファイアなどの美しい宝石にも薔薇と一緒で恐ろしい棘があるのですね。
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