親愛なるジーンへ 2(特装版)
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親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

もはや映画。

2022年9月22日
これが1人の漫画家さんの頭から生まれ紡がれたストーリーだと思うと、漫画家さんって神だな。何人ものスタッフが力を合わせて作る映画を凌駕するほどの圧倒的な描写、演出、脚本、セリフ。ただただ日本人に生まれ作者様のいる時代に生きていることに感謝です。
主人公のジーンは美しく若いアーミッシュ出身の青年。そしてその彼を庇護し大きな愛で彼を赦し守る弁護士のトレヴァー。読んでいくうちに何度も自分がジーンになったりトレヴァーになって心を揺さぶられ泣いてしまいました。
居場所がない、未来が考えられない、自分で立っているのがやっとの人生から救い出してくれたトレヴァーを神様と呼ぶくだり、美しかったです。そしてその神様が涙を流すシーンも美しかった。
普段BLを読まない人にもぜひ読んで欲しい。80-90年代の花ゆめを思い出す美しい線、ふっくらしたジーンのボディライン、若々しさが溢れる甥っ子ジーンの瑞々しさ、そしてトレヴァーの包容力あふれる厚い体は本作の素晴らしい点のひとつです。
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