破滅の魔術師は、人形姫に終焉の恋を捧ぐ
」のレビュー

破滅の魔術師は、人形姫に終焉の恋を捧ぐ

染井由乃/睦月ムンク

なかなかシリアス

ネタバレ
2022年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ページ数もそれなりにあって、生け贄、差別といった重たい内容もあり気軽に読むのは難しい作品です。
作者さんの多くの作品で共通してますが(笑)、登場人物の病んでる具合が好みを分けると思います。
18歳で生け贄として死ぬ定めを真摯に受け入れ穏やかで優しいヒロイン。ですが、自身が人形姫としか見られていないこと、死んで当然と思われている事に複雑な感情を抱いています。
差別と暴力を受けることが当たり前ながらも、ヒロインを大切にし生け贄の儀式で殉死するつもりでいるヒーロー。ヒロイン以外の事柄には感情を揺るがせないヤバい思考の持ち主。
孤独な二人は互いに想い合っています。物語りはヒロインが死に戻ってから、何故ヒーローが国を滅ぼすほどの厄災を起こしたのか、の部分と生け贄制度の裏側の部分がミステリー仕立て。
前者はヒロインが、後者はヒーローが真相を突き止めます。
死に戻ってから初めて知るヒーローの生い立ちや魔術、併せて互いに献身しあう二人。
バッドエンドもチラつく作風(作者さんバッドエンドもあるので)。
愛し合うシーンはキス、抱きしめ合う程度です。
あまり明るさがないので軽い話が読みたい気分の時にはオススメ出来ません。
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