僕らはなんども恋をする
」のレビュー

僕らはなんども恋をする

星名あんじ

正真正銘のドラマティックラブストーリー!

ネタバレ
2022年10月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「ワールズエンド…」がすごく良かったのでこちらも購入してみました。ファンタジーものは根幹がしっかりしていないと理解できないし、説得力に欠けてしまうのに加えて現実的で超自然的なので、ストーリーに入り込むのも難しかったりしますよね。星名あんじ先生は、そんなファンタジーものを壮大なスケールで描き、読者の心も一瞬で鷲掴みにされる方だなと思っています。タイムリープもののこの作品も素晴らしい作品でした。

大事な言葉を言えず愛する人を亡くした主人公一成が、想いを伝えるために、運命を変えるために時を駆ける物語です。萬くんがね〜めちゃくちゃ好きでした。何ですか?あのハッピーオーラ!いっつもニコニコ賑やかで、でも胡散臭さとか鬱陶しさは全くなく、この人とおったら幸せやろなと思えるような素敵な人。(私の家にも居てほしい!笑)この萬くんが何度も亡くなるのが辛く苦しく、一成と一緒に心がすり減っていきました。「どうか助けてほしい」「二人に日常という幸せをあげてほしい」と涙なしでは読めません。タイムリープものは同じシーンが続くことが多いですが、重複する部分はカットし、違った視点やアングルから描いてあるので真新しさを感じさせます。また、後悔のないようにきちんと想いを伝え合い、恋人としての時間を大事に過ごす二人が美しく、切なく、尊く描かれているのも、作品をより輝かせていますね!

一成が選んだ運命が切なく、でも愛する人を守るためにはそれしかなくて、すごく納得はできたんですけど、その後の一成の一生懸命寂しさに耐えている姿にまたまた涙…。萬くんの登場に「待ってましたー(T ^ T)」状態でした。本当によかったと、胸がいっぱいです。何年も待って待って、ようやく掴んだ幸せに万歳三唱でした!

絵の綺麗さは群を抜き、いつの間にか読者を引き入れて、傍観者ではなく応援団にさせちゃうあんじ先生が本当にブラボーですね!思った以上に壮大だったので、もしかしたら上下巻でもいけたのではないかとも思いました。にも関わらず一冊でまるっと上手におさめちゃうのもすごい!

「僕らはなんども恋をする」
愛する人がいる世界に無限大∞を感じました。素晴らしい作品に出会えたことに感謝です。
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