大奥
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大奥

よしながふみ

200年以上にもわたる壮大な人間ドラマ

ネタバレ
2022年10月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 元々日本史が好きだったので、江戸時代を扱っているこの作品を読もうと思ったのがきっかけでした。
勉強がてらに漫画も読めて一石二鳥!と思っていた程度でしたが、読み始めてすぐに万里小路有功というキャラにやられました。私が大奥で一番のお気に入りの人物が彼です。
彼は家光の乳母の春日局によって強引に家光の側室になりますが、誠実で優しい有功に家光は惹かれてゆき、また、有功もかわいらしい家光を愛するようになっていきます。しかし、家光は将軍です。2人はただの恋人同士ではいられませんでした。儚い終わりを迎える物語です。
もう1人お気に入りの人物がいます。8代将軍徳川吉宗です。現実でも吉宗は徳川中興の祖と言われていますが、「大奥」でも彼女は本当に力強く描かれています。しかし、質実剛健、謹厳実直な彼女にも隠さねばならない秘密が実はあったのですが、人間の業の深さを感じました。
フィクションではありますが、徳川幕府はいかにして260年も続き、農民から武家、貴族、将軍まで当時の人々がどう感じ、暮らしていたかがドラマチックに描かれ、非常にリアリティがあります。歴史好きにはたまらないと思います!
読もうか迷っている方、すぐに試し読みしてください。その面白さは一巻の時点でわかります。
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