このレビューはネタバレを含みます▼
昔々、裸族の原住民が神事を行いながら原始的生活を送る、隔絶の孤島が舞台です。この作者さんは閉塞的な文化圏描くの上手ですよね。
度重なる天変地異により、同時に都落ちの漂流者という異分子により、それまでの平穏な生活が波立つどころの騒ぎじゃない。追い詰められた人々の動きが様々で面白いです。
出てくる女性がみな強く血の気が多くカッコいい…アマゾネスみたい。彼女らの生き様に感心します。文明に触れ現状を惨めに感じるようになっちゃうモモエ君が、田舎から出てくるおのぼりさんっぽくてお気に入りです。簡単に染まっちゃうやつ。
サバイバル感が増していくにつれ人の狂気も増していき、教祖然としてくる鬼女はノリノリ…。読んでて凄く盛り上がるのですが、結末は意外にあっさり。
都落ちした彼女が漂着した理由とか、生い立ちや背景に触れる部分がもっと欲しかったなとちょっと物足りなく思います。(わざと人間味を抑えてるのかなぁ。)生き残ろうと非情にもがく様には共感出来ました。
一応の良好エンドと思いきや、そうとも言い切れない終わり方は好きです。生き残りゃ良いってもんでもない。