美女が野獣
」のレビュー

美女が野獣

マツモトトモ

雰囲気で持っていって違和感のない漫画

2022年10月7日
思わせ振りの鰐ちんの経歴を引っ張って引っ張って、途中はそんなことどうでもいいような日常を描き、終わりかけにやっと語って幕を閉じた。
キスシーン、さまになる構図。さすが「キス」(1996~2001年)でのご経験か。本作品は2002年~2005年。
鰐ちんは、マツモト先生自ら解説の通り、裸体が頻繁。
大人っぽくて影があり、野性的で一匹狼の鰐ちんに、物怖じせず当初から懐に入り込む、不思議な人懐こさを武器とする、主人公エイミ。がさつで食いしん坊、どちらかといえば生活全般にだらしないエイミは女子寮でたくましく生きていて、成る程このキャラならその学院のアクの強そうな寮生活は苦痛じゃぁないだろう、という感じ。天然というか、型破りで外見がかわいい(女の子というかわいらしさよりも、顔立ちがスッと整ってるという意味で)。随分と自由に生きている。。
ストーリーは流れとして気まま、一本結んで運ばれていかない。かろうじて例の鰐ちんの過去、そしてエイミとの関係の方向感への興味を繋いで、軽い引き締め。
しかし、ヌイヌイは脇役としては育たなかった(育ててない)。
多少は少女漫画的要素を持つ人間関係を構成させる為なのか、シモーヌを登場させるも、それゆえこの辺りが多分にごくごく普通の話になりかける。エイミがぶっ飛んだキャラをしている為に多少ストーリー上の個性は主張された。シモーヌの努力と献身ぶりは不憫さを誘う。女性のほうがほぉってこなくて何人もということで、バランス取らせる意図?が却って不安定さに。
景都にしても、各転機の理由付けに納得感弱い。
鰐ちんの魔性?を主体にしたかった??
兎に角雰囲気が売り。思わせ振りの鰐ちんの背景を先々明かすターン到来まで、寮生活のあれやこれやで毎日が過ぎて行く。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!