箱の中 【講談社版】
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箱の中 【講談社版】

木原音瀬

涙が出た。

ネタバレ
2022年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 攻めのひたむきさに涙が出ました。

作中にも出てくる、本当の愛って、一途な愛って何?
って考えさせられます。

単なる執着と愛情の違いってなんだろう。

無知で無学な分、攻めの純粋さが際立っているし、「幸せとは?」って考えずにはいられません。

一つだけあり得ないと思ったのは、最後の、攻めを受けの妻が落ちるように押したとこ。
ケガしなかったから傷害罪は成立しないから無かったことにしてくれって描写だけは、あり得ないです。
あれは、殺人未遂です。怪我の有無は関係ない。
結果的に生きてただけで、立派な殺人未遂なので、許してくれとかあり得ない。そこだけは、受けは攻めに対して酷すぎると思いました。

とはいえ、人の痛みの描写が秀逸で、Amazonで続編の檻の外をポチってしまいました。
『檻の外』に入っている「雨の日」「なつやすみ」まで読みました。
とても秀逸でした。なつやすみ、涙が出ました。心理描写が素晴らしいです。

気になる点は、なおが堂野の実の子じゃないと知ってショック受けてる場面で、母親(堂野の元妻)が「幸せな子供だったのよ」と、なおに対して言ったこと。
いや、、幸せじゃないっしょ、と思ってしまいました、すみません。例え18歳だとしても、むしろエグいです。。
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