パブリックスクール
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パブリックスクール

樋口美沙緒

重みのある救いの物語

ネタバレ
2022年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1、2、4冊目はレイとエド、3、5冊目はケイトとスタンの2cpの話で。世代は違いますが、どちらも出会いはイギリスの全寮制の学校で、受が日本と英国のハーフで攻が英国の貴族。なので、全体を通して身分や人種、同性愛に対しての差別があって、朗らかな学生の恋愛というより思惑渦巻くドロドロした環境の中で懸命に愛を貫こうともがく恋愛でした。どちらも攻が嫉妬深くて行為が激しめ。でも皆、抱えてるものが大きくて、それを乗り越えないと本当の意味で結ばれないので、精神心理学や哲学書を読んでるような重厚な空気感。正直、行為の喘ぎ声とか不要なほどに物語の重みに引き込まれました。ケイトの犠牲のおかげでスタンがやっと解き放たれたので、ただただケイトが幸せな話が読みたい気持ちです。
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