中陰ノ宮
」のレビュー

中陰ノ宮

zaru/Bamilssi

報われた愛

ネタバレ
2022年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 舞台は中国の宮廷だと思いますが、主人公の転生後はどうなるのか?という内容に引き込まれました。
全57巻で1~52巻が本編、53~57巻が番外編です。
1巻が概ね60ページ未満で、1ページのコマ数が少ないながらも主人公フンの心理描写が丁寧で、前世での悔恨や今世で葛藤に苦しむ様子が犇々と伝わり、心揺さぶられました。カラー画ということも新鮮でした。

■人間は死後その魂はこの世を離れ四十九日間、生と死の間の「中陰」に留まる
■「中陰」→魂の浄化する場所
①今世で積もった業を消し魂を浄めて永眠を迎える準備を終える
②生前の業が深く大き過ぎる魂は中陰でも浄化されないので生まれ変わり業を消すまで生を繰り返す
「業」は罪深く、その想いを多く受けている様子。

皇帝ジャ・リュンとフンは上記②のために今世でも出逢ったわけであります。前世(100年前)の記憶を完全に持ったまま生まれ変わったフンと、後から前世の記憶を思い出した陛下。(前世でも同じ太雄城で皇帝と当時は天才建築士だったフン。太雄城はフンが設計)業を繰り返さないためにも変わる必要のある2人。前世の記憶と今世との対比。煩悶する陛下。
岩のように丈夫で健康で見目麗しい陛下と細身で雪のように白く青い瞳が美しいフン(カラー画なので瞳の色の美しさが引き立ちます)。本作は対比が見所の1つだと思います。

前世で残酷非道な行為を繰り返した陛下は見事生まれ変わり別人に。フンも陛下をやっと信じることができハッピーエンドを迎えることができましたので万々歳です!
最後のフンの言葉と覚悟はとても心に響きました。
物語のクライマックスである45~52巻は特に心動かされ泣けました。
泣いた後の番外編5巻はその後の2人の後日談で、読んでいて幸せな気分になりました☆
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