このレビューはネタバレを含みます▼
「濡れた王は千夜一夜の夢をみる」で幼いアザムにトラウマを植え付けた兄・シャリフのスピンオフ。シャリフの秘密を知るかつての同級生・絢斗×美しく尊大な石油王の後継・シャリフ。父が亡くなり、事業を継ぐために帰郷したシャリフは、クラブオーナーになっていた元同級生の絢斗と再会。父親から性的虐/待を受けていたシャリフが、やがて弟に同じことをしていた姿を目撃していた絢斗は、快楽という罰を与えることでシャリフの心を解放しようとする。相変わらず絵が美しい。前作の裏話で一気に興味を掻き立てられたシャリフだけど、アザム以上に救いようのない拗らせ方…それもやむなし。絢斗の思惑や感情はなかなか難解で、頭を悩ませながら読みました。この兄弟が和解することはおそらくないんだろうけど、それぞれが相手から解放されて、自分達の幸せを追い求められるようになれたらいい。絢斗の妄執とも言える献身がすごかった。兄、弟どちらもまた続きがありそう？期待して待ってます。
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