このレビューはネタバレを含みます▼
最初のお話の扉絵だけで既に独自の世界観放ってます。主人公ってその物語の顔なのにそれを隠してるのは初めて見た。私は鬼滅も好きなので、この初期の絵の拙さもさほど気になりません。二つめに収録されている「文殊史郎兄弟」この中で被害者遺族の女の子が最後にこぼしたセリフが印象的でした。復讐を果たしても絶対に報われない感情があることを、変に飾ることなくありふれた言葉を紡いで表現されていて心に残ります。4つの収録作品全てに言えますが、モノローグの入れ方、地面から見上げた雨空、蹲る登場キャラ、手だけのコマ…etc,一つ一つの描写が心情に訴えかけてきて、改めて吾峠先生の物語力にとても惹かれました。