空と海のあいだ
」のレビュー

空と海のあいだ

松尾しより

ネタバレ注意

ネタバレ
2022年10月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 胸が締め付けられるような場面が多く、話自体はフィクションだけど、あったことは全部真実なんだと、痛感させられました。
この時代の日本には、美津子、一臣、二郎、節子に代表されるような人が、沢山いて、またフィリピンにもエメリアのような人が。
そしてフィリピンには、一臣のように還りたくても還れず、彼の地で眠っている多くの人が…。
現代の里加の「なんかー、昔の人は大変だったんだね」と口にするのに対し、二郎じいちゃんは、
「本当に昨日のことのようだよ」と呟く。
里加は今の私たちの総称であり、二郎じいちゃんは、戦争体験者の代弁者である気がします。
里加と二郎じいちゃんを対比させることで、戦争を風化させてはいけないという作者さんの思いからではないか。
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