さよなら共犯者【単行本版】
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さよなら共犯者【単行本版】

あがた愛

子供に戻っちゃう大人と大人になりたい子供

ネタバレ
2022年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 10/31までなんと半額セール中です。新刊で買ったはずなのに詰んでる間に半額になってしまった笑

秘密を持ってる正体不明の30代×大企業坊ちゃんDK

いつもコンプラギリギリめなあがた先生だし30代×高校生なので重めかなと思っていたのですがめちゃくちゃハッピーエンドです。
取り壊し予定のアパートに不法侵入していたヒロセと常に清廉潔白で日常がつまらないと感じながらも真面目に生きてきたはじめ。歳も環境も全然違う2人がひょんなことで出会って逃亡するまで早過ぎず引っ張り過ぎず絶妙なペースで引き込んでいきます。
お互いに素性が分からないからこそ自分が見たものだけで惹かれ合って行くある種の清らかさが、行動や置かれてる立場と剥離していてとても面白いです。

必死に恋をするはじめと大人であろうとするヒロセ。はじめの猛アタックに絆されていくヒロセの気持ちが分かりすぎる。ヒロセに恋してはじめはどんどん綺麗に可愛くなっていってるんですよね…目が可愛い。ただ一緒にいたいだけなのにどんどん迫ってくるタイムリミット。2人でいられる時間はあと少し。
ミステリアスさを残しつつちゃんとラブも進めていく話運びにぐんぐん読み進めてしまいます。
再会のシーンははじめの健気な思いが溢れてて涙なしには読めませんでした。上巻はミステリアスに、下巻は謎解きと怒涛の展開であっという間の上下巻。あがた先生の背徳的なストーリーの魅力を含みながらもすっきりと爽やかな読後です。

あとがきで色々表現に苦心されたことが書かれていましたが、描けないとこはいつか同人誌で描けばいいやみたいな感じではなく難しいテーマを色んな縛りがありながらも作品内で昇華させるBL作家魂を感じました。

大人×子供に地雷が無ければ是非オススメしたいです。
意外にもえろさは控えめ。描き下ろしがえっちです。
こんなにくそ長いレビューを書いてしまうくらいいい作品でした(;_;)
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