このレビューはネタバレを含みます▼
高校の同級生で親友だった二人。卒業式で攻めが告白をし、受けが酷い振り方をするシーンから始まります。年月を経て再会した時、酷い振り方をした張本人である受けの激しい後悔と自虐的な人生が多数描かれていて切なかったです。自業自得ではあるものの、ここまで罪の重さを深く自覚するような人だからこそ攻めは受けを好きになったんだろうなとも思いました。そんな受けを圧倒的な優しさと愛で掬い上げる攻めの心の強さがとても光っていました。ラストの短編はデビュー作だそうで、田舎を舞台に若い二人の切なくもキラキラした恋が爽やかでした。全体的に絵がとにかく美しく丁寧なので、どのシーンもお話に説得力があり読み応え充分。表題作でとことん重さのあるお話を読み、最後は短編で爽やかな読後感が味わえる一冊です。オススメです。